● 工事の経緯
昨年から熱海にて、昭和17年築の木造建築の改修工事を頼まれ施工しました。
築75年の改修工事は何社もの工務店が下見の際
『壊して建てなおした方が良い。その方が早くて安く出来る!』と言ったそうです。
確かにそうかもしれません。。。
しかし、私は『これを壊したら二度と同じようには建ちませんよ。』と言いました。
今、この業界は金額の高い安い。工期の早い遅いの判断だけで決められていく事が殆どです。
家づくりに対する【情熱】や【技術】は見積りに載せようもありませんが
何故その金額になるのか…理由など知らないまま、総額だけで判断されてしまいます。
しかし、熱海のお施主さまは『良い建築を残したい』『先代からの想い』を大事にされていました。
お施主さまと弊社の想いが【ご縁】となって、この度の改修工事が始まりました。
【上野地足場掛け】
● 工事を進めるにあたって
土壁の臭い。竹小舞。下地窓。まさに日本建築です。
土壁の家は、伊豆では殆ど残っていないと思います。
驚いたのは、31坪の家にヌキの筋かい(15mm×90mm)が数本しか入っていませんでした。
これで75年も建っている。日本の建築技術は素晴らしいとつくづく思います。
【竹小舞下地】
【ちりトンボ】
● お客さまより
これ程良くなるとは思わなかった。
屋根裏と通気工法でエアコン無しでも寝られる。と、お喜びの言葉を頂きました。
想い出を残しつつ、新しい工法を取り入れた【温故知新】の施工に
とても満足されています。
これからも『心にしみる家づくり』を目指していきたいと思います。
㈲加藤美建 棟梁 加藤和司