都内にて5棟目のお茶室を手掛けさせていただきました。
京橋・銀座・九品仏・浅草に続き… 今回は江戸川区船堀です。

『霽月』は松下電工創始者・松下幸之助氏が寄贈したものです。
敷地の都合にて、10帖を8帖にしております。
建築基準法や諸々の条件を踏まえて。家屋内に外腰掛・内露地を配置しています。


小間は2帖台目。掛込み天井、平天井はヘギ板を用いて矢羽根組とし、床は壁床です。

下地窓は200年程の季を重ねた味わい深い葦を有楽窓風に施しました。

小間には【清楽庵】と名付け、昔から親交のある
沼津大中寺・下山光悦住職に筆入頂き、扁額を彫りました。
扁額は京都で手に入れた味のある古材に、棟梁自ら鑿(のみ)を入れました。

現場となる江戸川は、とても風当たりが強い場所という事で
屋根は寄棟屋根とし、数寄屋建築に多いむくりをつけました。

この 江戸川区 Hさま邸は、
玄関から 寄付き・小間・広間・内露地・水屋・勝手 から形成され
お茶事まで行う事ができます。
小屋組みは、関西間の広いスパンを大きな梁を使わず【合掌組】を採用し
屋根が出来る限り高くならないよう設計しました。

設計から、何度も打合せを重ね、図面を書き直し…
緊急事態宣言やコロナ禍という、特殊な状況下で
無理を言ってご尽力頂いた職方さま一同
貴重な機会を下さったお施主さま
ご理解・ご協力くださった総ての方々に感謝申し上げます。

