住宅・古民家風住宅
2012年8月7日

生まれ育った家の古材を極力使い、思い出を残したまま、むくり屋根の美しい新たな家に生まれ変わりました。函南町 田口邸


自分の生まれ育った家の古材を生かし、使えるものは極力利用して、思い出を残したまま新たな家に生まれ変わりました。むくり屋根が美しいです。

玄関へのアプローチは解体した伊豆石の堀を敷き詰め、入り口には大きな蔵戸を取り付けている。戸を引く音が心地良く、訪れる人も何か楽しみを感じられる家。

外堀は余った梁などを使って楽しみのある塀に仕上げています。

癖のある曲がり木をポイントにした出し桁。室内と台所に曲がりのある古材を使い、あえて仕切らず開放感と広さを感じさせる。

棚や物入れを部屋の外側に施すことにより、柱の太さからくる室内の圧迫感を排除。背丈70cmもある大曲の梁も気にならない重圧感のある空間に仕上がっています。

曲がりのある大梁を階段に使い、屋根裏の先には二階の窓を開け、光と風の道を作っている。来客も一瞬足を止めてしまう空間。

柱の中にも遊び心を入れた?古材ならではのおもしろい演出です。

施主様からのコメント

大きく曲がりくねった梁、穴だらけの柱、つぎはきだらけの床、建具など、どれもこれも代々受け継がれてきた懐かしい家の古材です。それらに囲まれて大変満足しています。 とにかく先人の残してくれた材料を余すことなく使いたい。ほっておけば廃材になる”しろもの”をなんとか新たに生き返らせたいと言う思いでおりました。そんなとき、その願いの叶う棟梁に出会うことができました。

限りある予算で、寄せ集めた材料をどう組み合わせるか、こちらの思いに「NO」と言わず、いつも見事な解決策を出してくれたのが加藤さんです。棟梁の「いい家」づくりにたいする深い知識と愛着、美的センスに引き込まれながら練っていく作業は実に楽しいものでした。

住んでみて和室周りの廊下を畳み敷きにしたのが気に入っています。畳の香りと夏ひやり、冬暖かい感触。また冬には廊下の奥にまで差し込む陽光にまどろむこともできます。玄関の二段の曲がり土間、広間に向かう二段の階段、一つひとつあげたらきりがありません。とにかくそれぞれにストーリーの詰まった、思い出に残る仕事をして頂きました。加藤さんに巡り会うことがなかったら、あの古木たちはこんなに見事に生き返ることは出来なかったと思います。ほんとに感謝しています。そして、「ご先祖様喜んでいらっしゃるね」と言ってもらうのが一番嬉しい言葉です。

そうは言うものの建築現場は大変な負担を強いることとなり、大工さんたちのご苦労は大変なものでした。毎日その日の出来上がりにワクワクしながら顔を出すのですが、曲がりくねった大木を相手に奮闘している大工さんたちの姿に申し訳なく、現場に出向くこともできないこともありました。とにかく一つひとつに思い出の残る仕事をして頂きました。あと、柱の埋木から3センチあまりの小さな「大黒さん」がでてきたり、板に「打ち出の小槌」の埋木を発見したり、柱の下部に「徳利と杯」のこれまた埋木があったり、昔の職人さんの発想豊かで確かな仕事ぶりに出会えた楽しさもありました。屋根の「むくり」もきれいだし、庭の芝生から見た玄関屋根の「むくり」は圧巻です。とても気に入ってます。門や塀も気に入ってます。

あんな塀ほかに無いですもの。まだまだ書き足りないのですが、この辺にしておこうかな...